企業のマーケティングやブランディング活動において、SNS動画の活用は今や欠かせません。YouTube、TikTok、Instagram… 日々多くの魅力的な動画がSNSを賑わせ、企業の動画活用はもはや当たり前になりました。
しかし、その一方で「面白い動画を作って投稿してみたけれど、一時的に話題になっただけで、売上や問い合わせには繋がらなかった…」「そもそも、どんな企画をすれば成果が出るのか分からない」といった声も多く聞かれます。
なぜ、「面白いだけ」の動画ではビジネス上の成果が出にくいのでしょうか?
この記事では、企業のSNS動画で単なる「バズ」で終わらせず、認知度向上、ファン獲得、エンゲージメント向上、そして最終的な売上貢献や採用成功といった具体的な「成果」を出すための、企画の考え方と実践的な5つのステップを分かりやすく解説します。
1. なぜ「面白いだけ」のSNS動画では成果が出にくいのか?
まず、多くの企業が陥りがちな「面白いだけ」の動画が成果に繋がりにくい理由を考えてみましょう。
- 一過性の話題で終わる: たとえ「バズった」としても、その話題性が持続せず、すぐに忘れ去られてしまうことがあります。
- ブランドイメージとの乖離: 面白さを追求するあまり、本来企業が伝えたいブランドイメージやメッセージからかけ離れてしまうことがあります。
- ターゲット層へのミスマッチ: 作った「面白さ」が、届けたいターゲット層の興味関心や価値観と合っていない場合があります。
- ビジネス目標とのズレ: 動画の目的が曖昧なまま「とにかく面白いもの」を作ろうとすると、本来達成すべきビジネス目標(例:商品購入、資料請求、採用応募など)への貢献度が低くなってしまいます。
つまり、「面白い」はあくまで手段であり、それ自体が目的になってしまうと、ビジネス上の成果には結びつきにくいのです。
2. 成果を出す!企業SNS動画企画の5ステップ
では、どうすれば「面白さ」と「成果」を両立できるのでしょうか?以下の5つのステップで企画を考えていきましょう。
Step 1: ゴール設定 – 目的とKPIを明確にする
- 「何のために」動画を作るのか? を具体的に定義します。実は、この最初の目的設定こそが最も重要でありながら、日々の運用の中で最も見失われやすいポイントです。(例:新サービスの認知度を〇%向上させる、動画経由のWebサイトアクセス数を〇件増やす、採用への応募数を〇件獲得する、既存顧客のエンゲージメント率を〇%高めるなど)
- 具体的な数値目標(KPI:重要業績評価指標) を設定します。これにより、動画の効果を客観的に測定し、改善に繋げることができます。(例:再生回数、平均視聴時間、いいね・コメント・シェア数、クリック率、コンバージョン率など)
Step 2: ターゲット理解 – 誰に、何を、どう響かせるか?
- 届けたいターゲットは誰か? を明確にします(ペルソナ設定)。年齢、性別、職業、興味関心、ライフスタイルなどを具体的にイメージしましょう。
- ターゲットは何に興味を持ち、どんな課題や悩みを抱えているか?(インサイトの深掘り)。彼らが思わず見てしまう、共感してしまうポイントを探ります。
- ターゲットはどのSNSを、どんな時に、どのように利用しているか? ターゲットのSNS利用習慣を理解することが、適切なプラットフォーム選びや企画内容に繋がります。
Step 3: プラットフォーム選定 – 特性を理解し最適化する
- 各SNSプラットフォームの特徴(ユーザー層、文化、アルゴリズム、最適な動画の長さ・フォーマットなど)を理解します。
- YouTube: 比較的長い動画、検索からの流入、情報収集・学習目的のユーザーも多い。
- TikTok: 短尺動画中心、トレンドの移り変わりが早い、エンタメ・音楽との親和性が高い。
- Instagram: ビジュアル重視、リール(短尺)・ストーリーズ(日常感)・フィード(作り込み)の使い分け、購買機能との連携。
- X (Twitter): リアルタイム性、情報拡散力、テキストとの組み合わせ。
- 目的とターゲットに合ったプラットフォームを選び、その特性に合わせた動画表現を考えます。
Step 4: アイデア発想 – 「面白さ」と「目的」を繋ぐ企画を練る
ここが企画の肝です。Step1~3で明確にした目的・ターゲット・プラットフォームを踏まえ、具体的なアイデアを発想します。
- ターゲットに響く「面白さ」とは何か?
- ユーモア: 思わず笑ってしまう、クスッとする仕掛け。
- 意外性: 予想を裏切る展開、驚きの事実。
- 感動・共感: 心を揺さぶるストーリー、共感できる登場人物やメッセージ。(※ムービーインパクトの得意分野です!)
- 学び・発見: 「なるほど!」と思える役立つ情報、知らなかった知識。
- トレンド: 話題のフォーマットやチャレンジ企画に乗る。
- 裏側公開: 普段見られない企業の内部や制作過程を見せる親近感。
- その「面白さ」を、どうやってStep1の「目的」に結びつけるか?
- 例1(目的:商品認知):商品の特徴を面白いデモンストレーションで見せる。
- 例2(目的:ブランディング):社員の感動的なエピソードを通じて、企業の価値観を伝える。
- 例3(目的:エンゲージメント):視聴者が参加できる面白いチャレンジ企画を実施する。
- 例4(目的:リード獲得):ターゲットの課題を解決する役立つノウハウ動画の最後に、関連資料ダウンロードを促す。
- ストーリーテリングの活用: 人は物語に惹きつけられます。商品やサービス、企業そのものにストーリー性を持たせることで、視聴者の記憶に残りやすくなります。
- UGC(ユーザー生成コンテンツ)促進: 視聴者が動画をシェアしたくなる、関連コンテンツを投稿したくなるような仕掛け(ハッシュタグチャレンジなど)を考えることも有効です。
Step 5: 効果測定と改善 – PDCAを回して精度を高める
動画を公開したら終わりではありません。
- 設定したKPIに基づいて効果を測定し、視聴者の反応(コメント、シェアなど)を分析します。
- 何がうまくいき、何が課題だったのかを仮説検証します。
- 分析結果から得られた学びを、次の動画企画や改善に活かします。
このPDCAサイクルを回し続けることで、SNS動画の企画力と成果は着実に向上していきます。
3. 【事例紹介】面白さと成果を両立!企業の成功SNS動画
ここでは、実際に「面白さ」や「価値提供」とビジネス上の「成果」を結びつけている企業のSNS動画事例をいくつかご紹介します。企画のヒントにしてみてください。
- くらしのラボ(東京電力エナジーパートナー)/ YouTube・Facebook
戦略/面白さ: 電気そのものではなく、その先の「くらしが豊かになる家電情報」という価値提供に特化。毎週更新でファンを育成。
成果/目的: オウンドメディアとして顧客との関係性を強化し、エネルギーを豊かに使ってもらうという企業の想いを実現。(総登録者数20万以上)
チャンネル:https://www.youtube.com/@kurashinolab
- 年収チャンネル(StockSun株式会社)/ YouTube
戦略/面白さ: BtoB企業でありながら、多くの人が関心を持つ「年収」をテーマにしたエンタメ性の高いコンテンツ(テレビ番組風)を展開。
成果/目的: チャンネルの人気を通じて企業の認知度を高めつつ、概要欄から転職支援サービスなど**自社ビジネスへの誘導(リード獲得)**を実現。
チャンネル:https://www.youtube.com/@nensyu_channel
- ゆとらない日々(株式会社yutori)/ YouTube
戦略/面白さ: アパレル企業のリアルな裏側を飾らないドキュメンタリーで見せ、若者の共感を獲得。
成果/目的: 企業のファンを増やし、ブランドイメージを構築。仕事の厳しさも見せることで、ミスマッチの少ない採用活動にも貢献。
チャンネル:https://www.youtube.com/@yutoriinc
- ロート製薬 / TikTok
戦略/面白さ: 若年層に人気のTikTokで、トレンドを取り入れた面白いコンテンツを発信。
成果/目的: 楽しみながらも自然な形で製品特徴を伝え、若年層へのブランド認知と好感度向上に成功。(フォロワー107.2K、520万いいね)
アカウントリンク:https://www.tiktok.com/@rohtotiktok
- エレクトロラックス / YouTubeなど
戦略/面白さ: 製品の機能説明ではなく、感動的なストーリー(泣ける動画)でブランドイメージを訴求。
成果/目的: 店舗ユーザーだけでなく、導入するコインランドリーオーナーにも響く内容で、ブランドへの共感と好意を醸成。
【泣ける動画】娘の気持ち:https://www.youtube.com/watch?v=IStnSp20Wpw
- ムービーインパクト ショートドラマ / TikTok
戦略/面白さ: 流行のショートドラマ形式で、「感動」に特化したオリジナルコンテンツを制作・発信。
成果/目的: 制作会社の企画力・制作力を示し、オーガニック(広告なし)で100万再生を獲得。潜在顧客へのアピール。
4. 企画を成功させるために - 制作パートナー選びの視点
どんなに素晴らしい企画も、それを魅力的な映像としてカタチにできなければ意味がありません。また、成果に繋げるためには、制作会社の戦略的な視点も重要になります。
- 企画意図の理解力と表現力: あなたの企画の意図を深く理解し、それを超えるようなクリエイティブな表現で映像化してくれるか。
- プラットフォームへの知見: 各SNSプラットフォームの特性を熟知し、最適な表現方法やトレンドを取り入れた制作ができるか。
- 戦略的視点: 単に動画を作るだけでなく、「成果を出す」という視点で、企画段階からアドバイスや提案をしてくれるか。
分析・改善提案: 公開後の効果測定や分析に基づいた改善提案など、継続的なサポートが期待できるか。
まとめ
企業のSNS動画で「成果」を出すためには、「面白い」という要素だけでなく、明確な目的意識と戦略に基づいた企画が不可欠です。
目的とKPIを定め、
ターゲットとプラットフォームを深く理解し、
「面白さ」と「目的」を結びつけるアイデアを練り上げ、
効果測定と改善を繰り返す。
このステップを着実に実行することで、単なるバズで終わらない、ビジネスに貢献するSNS動画活用が実現できるはずです。
成果の出るSNS動画は「企画」が9割!ムービーインパクトでは、豊富な経験とノウハウに基づき、お客様の目的達成に貢献する動画企画をご提案します。「面白い」はもちろん、「成果」にこだわる動画制作ならお任せください。



