動画制作って何から始めればいいの?

「動画制作を外注したいけど、何から始めればいいの?」
「制作会社とのやり取りで、認識のズレやスケジュールの遅延が起こらないか不安…」
「イメージ通りの動画を、スムーズに完成させたい!」
動画制作を外部のプロに依頼する際、このような期待や不安を感じるのは自然なことです。動画制作は、依頼者と制作会社が協力して進めるプロジェクト。双方のコミュニケーションが円滑で、プロセスを正しく理解していることが、成功の鍵を握ります。
この記事では、動画制作を依頼する前の準備段階から、企画、制作進行、そして納品に至るまでの流れをステップごとに解説し、各段階で制作会社とスムーズに連携するためのポイントや、よくあるトラブルを未然に防ぐコツをご紹介します。
Phase 1: 依頼前の準備 - ここで差がつく!

制作会社に連絡を取る前に、社内でしっかりと準備をしておくことが、後のプロセスをスムーズに進めるための第一歩です。
1. 目的・ターゲット・予算の明確化
- 何のために動画を作るのか?(目的)
- 誰に届けたいのか?(ターゲット)
- どれくらいの予算をかけられるか?(予算感)
2. 参考動画の収集
- イメージに近い動画(テイスト、構成、クオリティなど)をいくつか探しておきましょう。国内外の事例、競合他社の動画、あるいは全く異なるジャンルの動画でも構いません。
- 具体的な映像イメージを共有することで、制作会社との認識のズレを防ぎやすくなります。「こんな感じにしたい」という視覚的な情報は、言葉で説明するよりも遥かに効果的です。
3. 社内担当者の決定と役割分担
- 動画制作プロジェクトの**社内責任者(メイン担当者)**を決めましょう。制作会社との主な窓口となり、社内の意見集約や意思決定を行います。
- 関係部署(例:マーケティング部、広報部、人事部、法務部など)との連携方法や、誰がどの段階で承認を行うか(例:企画承認、初稿確認など)も事前に決めておくとスムーズです。
4. 制作会社選定のポイント(再確認)
- 実績、得意分野、コミュニケーション、提案力、費用対効果などを比較検討し、自社に合った制作会社を選びます。
Phase 2: 制作会社への依頼とヒアリング - 的確な情報共有が鍵
依頼したい制作会社が決まったら、いよいよコンタクトを取ります。
1. 問い合わせ時の伝え方
- メールや問い合わせフォームで連絡する際は、Phase 1で整理した**「目的・ターゲット・予算感」、そして「作りたい動画の概要(種類、尺の目安など)」、「希望納期」**などを、できるだけ具体的に伝えましょう。
- 参考動画のURLも記載すると、よりイメージが伝わりやすくなります。
2. 初回打ち合わせ(ヒアリング)の重要性
- 制作会社は、初回打ち合わせで依頼内容の詳細をヒアリングし、課題や要望を深く理解しようとします。準備した情報を元に、自社の想いや背景、懸念点などを率直に伝えましょう。
- この段階で、制作会社の担当者の人柄やコミュニケーションスタイル、理解度なども確認できます。相性の良いパートナーかどうかの見極めも重要です。
3. RFP(提案依頼書)の準備(もしあれば)
- 複数の会社に提案を依頼する場合や、要件が複雑な場合は、RFP(提案依頼書)を作成すると、各社から同条件での提案を受けやすくなり、比較検討が容易になります。必須ではありませんが、大規模プロジェクトなどでは有効な手段です。
Phase 3: 企画・構成・見積もり - 認識を合わせ、合意形成を
ヒアリング内容に基づき、制作会社から企画提案と見積もりが提示されます。
1. 制作会社からの提案内容の確認
- 提案された企画や構成案が、自社の目的やターゲットに合っているか、課題解決に繋がる内容になっているかを吟味します。
- 動画の具体的な流れ(シナリオや絵コンテ)が示されている場合は、イメージと相違ないかを確認します。
2. 企画・構成案のすり合わせ
- 提案内容に対して、疑問点や修正希望があれば、遠慮なく伝えましょう。この段階で認識のズレを解消しておくことが非常に重要です。
- 制作会社とディスカッションを重ね、双方が納得できる企画・構成案に固めていきます。
3. 見積もり内容の確認と合意
- 提示された見積もりの内訳、作業範囲、修正回数の条件などを詳細に確認します。
- 不明瞭な点や、含まれていない項目がないかを確認し、疑問点は必ず質問しましょう。
- 金額だけでなく、提供される価値(品質、サービス内容)とのバランスを見て、最終的に合意します。
4. 契約締結
- 企画内容、見積もり、納期、支払い条件、著作権の取り扱いなどを明記した契約書を取り交わします。**必要に応じて、秘密保持契約(NDA)もこの段階で締結します。**契約内容はしっかりと確認しましょう。
Phase 4: 制作進行 - コミュニケーションと協力体制が成功を左右
契約が完了したら、いよいよ動画制作が本格的にスタートします。
1. キックオフミーティング
- 制作開始にあたり、依頼者と制作会社の関係者でキックオフミーティングを行うのが理想です。
- 最終的な企画内容、制作スケジュール、役割分担、コミュニケーション方法などを改めて確認し、プロジェクト成功に向けて意識を共有します。
2. スケジュール確認と共有
- 撮影日、編集期間、初稿提出日、修正期間、納品日など、詳細な制作スケジュールを確認し、関係者間で共有します。
- 遅延が発生しそうな場合は、早めに報告・相談することが大切です。
3. 素材提供(依頼者側)
- 動画制作に必要なロゴデータ、商品写真、既存資料、ブランドガイドラインなどを、制作会社の指示に従って速やかに提供します。素材提供の遅れは、制作スケジュール全体の遅延に繋がる可能性があります。
4. 撮影準備・ロケハン
- 撮影場所の確保、出演者の手配、香盤表(撮影スケジュール表)の作成など、制作会社が中心となって準備を進めます。
- 必要に応じてロケハン(撮影場所の下見)を行い、撮影当日の段取りを確認します。依頼者側も可能な範囲で協力しましょう。
5. 撮影当日
- 撮影には依頼者側の担当者も立ち会い、現場でしか確認できない演出や内容をチェックできるのが理想です。
- ただし、撮影現場では制作スタッフの指示に従い、スムーズな進行に協力しましょう。
6. 編集プロセス
- 初稿確認: 撮影素材を元に編集された初稿(最初のバージョン)が提出されます。全体の流れ、テロップ、色味などを確認し、修正点を具体的にフィードバックします。
- 修正依頼: フィードバックは、複数回のやり取りを防ぐため、できるだけまとめて、具体的に(例:「〇分〇秒のテロップを修正」「全体のトーンをもう少し明るく」など)伝えましょう。契約で定められた修正回数内で収まるように意識します。
- 《重要》「修正」と「変更」の違いを意識する: 一般的に「修正」は当初の合意内容(企画コンテ等)に基づいた調整(誤字脱字の訂正、わずかな色味調整、指示通りのテロップ修正など)を指します。一方、「変更」は当初の合意内容から逸脱するような指示(構成の大幅な変更、新たなシーンや要素の追加、 BGMの全面的な差し替え希望など)を指します。「変更」に該当する場合は、追加の費用やスケジュール調整が必要になる可能性が高いため、フィードバックを伝える際は両者を区別することが重要です。もし当初の合意内容から大きな変更が必要になった場合は、なるべく早い段階で制作会社に相談しましょう。
- 完パケ確認: 修正が反映された最終版(完パケ)を確認します。
7. ナレーション・BGM選定
- ナレーションが必要な場合はナレーター候補の選定や原稿確認を行います。特に、ブランド名や商品名など固有名詞のイントネーション(アクセント)が正しいかは、依頼者側でしっかり確認しましょう。 BGMが必要な場合は楽曲候補の選定などを行います。制作会社からの提案に対し、動画の雰囲気に合っているかを確認します。
8. 円滑なコミュニケーションのコツ
- 定期的な連絡: 進捗状況の報告や確認を定期的(例:週に1回など)に行うルールを決めておくと安心です。
- 明確なフィードバック: 修正依頼などは、曖昧な表現を避け、具体的かつ建設的に伝えることが基本です。その際、まず良かった点・評価できる点を具体的に伝えてから、改善点を指摘するように心がけると、制作者(ディレクターやエディター)のモチベーションが上がり、より前向きに、質の高いクリエイティブを目指すことに繋がります。これはスムーズな進行とクオリティ向上の秘訣とも言えます。
窓口の一本化: 依頼者側、制作会社側ともに、連絡窓口を一本化すると、情報の錯綜や伝達漏れを防げます。ちなみにムービーインパクトでは、お客様ごとに専任のプロデューサーが窓口となり、責任を持ってプロジェクトを進行いたします。
Phase 5: 納品とアフターフォロー - 最後まできっちりと
最終チェックを経て、いよいよ納品です。
1. 納品形式の確認
- 事前に合意したファイル形式(例:MP4, MOVなど)、解像度で納品されているかを確認します。Web用、イベント用、テレビ地上波用など、用途によって最適な形式が異なる場合があります。特にテレビは審査もあるので注意しましょう。
2. 最終チェック
- 納品された動画データに、映像・音声の乱れや、最終確認時からの変更がないかなどを最終チェックします。
3. 支払い
- 契約に基づき、指定された期日までに制作費用を支払います。
4. 動画活用のアドバイスと広告配信サポート
- 制作会社によっては、完成した動画をどのように活用すれば効果的か、といったアドバイスをくれる場合もあります。積極的に相談してみましょう。ムービーインパクトでは、動画の活用提案はもちろん、広告配信の専門家が在籍しており、設定したKPIに合わせた効果的な広告配信のプランニング・運用までサポート可能です。
5. データ保管について
- 制作に使用したプロジェクトファイルや元素材の保管期間や、追加費用での保管が可能かなどを確認しておくと、将来的な修正や再編集が必要になった場合に役立つことがあります。
まとめ
動画制作を制作会社とスムーズに進めるためには、依頼前のしっかりとした準備、プロジェクト全体を通じた明確なコミュニケーション、そしてお互いを尊重する協力体制が不可欠です。
今回ご紹介したステップとポイントを参考に、制作会社を信頼できるパートナーとして、共に素晴らしい動画を作り上げてください。
ムービーインパクトでは、お客様との丁寧なコミュニケーションを第一に考え、企画段階から納品まで、責任を持って動画制作をサポートいたします。「何から始めればいいか分からない」「スムーズな進行で動画を作りたい」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。