1パス納品は✖️ Premiere Proの重要な書き出し設定

2024.12.13

鈴木翔太


動画編集で必ず行う書き出し。
まさか、1パスで書き出して納品などしていないですよね?


映像の書き出しは仕上げの重要なステップです。
Premiere Proでは、特にH.264やH.265(HEVC)のコーデックを使用する際に「1パスエンコード」と「2パスエンコード」というオプションが選べますが、非常に重要な設定となります。

そもそも「1パスと2パスってなんだ?」となる方もいるかと思いますので、簡単にまとめました。

●1パスエンコードとは?

エンコードプロセスを一度だけ行う方法です。エンコーダーは映像を読み込みながらリアルタイムでビットレートを調整し、最終的なファイルを生成します。

【メリット
処理速度が速い:1回の処理で済むため、エンコード時間が短縮されます。
設定が簡単:迅速な書き出しが必要な場合に適しています。

【デメリット】
品質の安定性が低い:シーンによってビットレートの配分が最適化されないため、画質が不安定になることがあります。

【使用シーン】
・プレビュー動画や試し出し
・納期が厳しいプロジェクト
・高品質が求められない映像 などに適しています。

●2パスエンコードとは?

エンコードを2回行う方法です。
1回目は映像全体をスキャンし、各シーンごとのビットレート配分を分析します。
2回目に最適なビットレートでエンコードを行うことで、品質と効率のバランスを高めます。

【メリット】
・高品質:ビットレートが各シーンで最適化されるため、映像全体の画質が均一になります。
・効率的なファイルサイズ:無駄なビットレートを削減し、必要な箇所に集中投下します。

【デメリット】
処理時間が長い:2回のエンコードを行うため、書き出しに時間がかかります。
設定がやや複雑:特に初心者にとっては、選択が少しわかりづらい場合があります。

【使用シーン】
・商業用の映像作品
・長時間の映像
・高画質が求められる映像 などに適しています。

このように、1パスと2パスは使い所も変わりますし、映像の質も大きく変わってきます。
鈴木は、納品する際など1パスで書き出したことは一度もありません。


なぜか。


経験上、1パスで書き出すと下記の不具合が起きることがあります。

【実際に起きた不具合】
・映像内で、1フレ飛ぶ
・動きが激しいシーンでビットレートが不足し、ブロックノイズやモザイク状のアーティファクトが発生
・再生中ある箇所だけ突然画質が落ちる
・映像が、微妙にぼやけて見える

など、さまざまなことが起きます。
もちろん、頻繁に起きたりしませんが、非常に不安です。


ただ、「編集中の特定の場所を試しに書き出して、見てみたい!」という場合は、使用することがあります。
1パスと2パスでは書き出し速度が大きく違います。

【違いを一言で言うと…】

1パス:「品質は低いが、スピード重視のシンプルな書き出し」
2パス:「品質重視の丁寧な書き出し」

です。

Premiere Proの1パスエンコードと2パスエンコードの違いを理解することで、適切な設定を選び、効率的に高品質な動画を書き出すことができます。プロジェクトに応じて最適なエンコード方法を選び、制作をよりスムーズに進めましょう!

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