低予算で動画広告を作るには

低予算で動画広告・webCM制作するとき、わかっておきたいポイント#2 ~何を削るとどうなるの?篇〜|映像制作・動画制作ブログ

市原 悠


2019.06.14

前回の記事で、動画広告・CM・映像制作などにはどんな部分に、どれくらいお金がかかるかをざっくり説明させていただきました。

なので、映像制作って色々なところにお金がかかるものなんだな、という認識はしていただけたかと思います。
それでは、今回は予算のどこを削っていくと、結果としてどうなるか?を考えてみたいと思います。
(実写がベースのものを主体とさせていただきますので、モーショングラフィック、アニメーションやCGのみを扱う場合は、今回はあまり参考にならないかもしれませんので、悪しからず)
 
流れとしましては、前回の記事で取り上げた順番でご説明します。
細かい事は良い、結論だけ知りたい方向けに最初にまとめておきますね。
 

【タレント・俳優出演費】 

有名人にこだわらない。人数を出さない。撮影に長時間かかる企画はやめる。

【スタッフ人件費】 

予算で自ずと決まりやすいので、あまり意識しなくてもいい。美容系などにはヘアメイク必須など、外すとやばいスタッフもいる。

【美術】 

細部にこだわれない可能性アリ。セットを建てる→スタジオ借りる→公道や自社でロケで行う、の順に安くなる傾向。

【衣装やヘアメイク】 

美しさ、世界観、クオリティを求めるなら必須です。

【機材】

目指したい参考映像などを見せて相談しましょう。

【工数・納期】

修正回数をまとめるよう努める。短納期などを避け、納品までは余裕をもち早めに相談しましょう。

【MA・仕上げ】

配信媒体に合ったレベルの仕上げなのか?の見極めが大切。インハウスでできるところも増えてきた。

【音楽・サウンドロゴ費】

基本的に作るとなると高額です。既存のネットで買える音源も充実してますので、無理に作る必要はないかもしれません。
 

相談1

 
さて、本題です。
 

動画広告・CM・映像制作するとき、どこを削っていくと、結果としてどうなるか?

【タレント・俳優出演費】


まずシンプルに予算を削るとすれば、有名タレントさんを起用しないこと、です。 
タレントさんに出てもらうことでブランディングができ、メジャー感も生まれますし、タレントさんによる商品想起には繋がります。ですが、必ずしもその狙いがないのであれば、有名な方を無理に起用する必要はないかもしれません。 
容姿端麗な方、演技の達者な方は有名無名を問わずたくさんいらっしゃいます。コンテンツに合ったキャスティングを、制作サイドに予算の中で提示してもらう、これがまずはオーソドックスな流れかなと思います。 

それと合わせ、かなり大切なことですが【動画の使用期限】の考え方です。

TVとは違い、今や動画はインターネットにアップすると、放映がいつまでだよ、放映すればお金がかかるよ、という制約が実質ありません(広告として配信するのは別として)。
ですが出演者はワンクール=約3ヶ月区切りでの契約を交わすことが多くその都度、費用が発生するのが通例でした。これは有名無名限らず事務所所属の方はほとんどそうでした。
まぁこれは同じ出演者が競合他社、例えば〇〇銀行と△△銀行に出演すると、いろいろな意味でややこしいことになりますよね笑。そういったこともあり、動画の使用期限が長ければ長いほど契約日数が増え、金額が上乗せになる、ということです。
もちろんインターネット上でも、期限が終われば、企業側は動画を下げないと契約違反となります。
 
しかしこれに関しては、現在、すべての出演者が期限を定めているかというとそうではありません。無期限で使用しても構いませんという場合もあります。例えば、弊社ムービーインパクトでは、案件ごとですが無期限での使用ができるように出演者と交渉するキャスティング部が独自にあり、その条件で動画制作を行っている場合が多く、昔からそのような体制を整えてきました。(急に宣伝みたいですみません笑)
クライアント側も、昔ほどその部分を気にしなくなったように思います。
 
更に予算と関わるのは、外国人や、芝居のできる子役・老齢の方、特殊技術者(マジシャンやプロスポーツマン)など少し対象が限られるキャストも、予算感が異なるケースがあります。シンプルに日本人の20代や30代男女の出演者に比べ、あまり選択肢がないので自ずと変わってくるという感じです。
 
もう一点、出演者の人数です。
出演者の人数が増えるほど自ずと予算は膨らみます。5人より3人、3人より1人のほうが予算がかからないのはわかりますよね。たとえそれがエキストラさんでもです。一般の方を勝手に写すと肖像権が問題になりますので、勝手に写すことも基本的にはできません。
 
以上のことから、有名タレントにするか否か、使用期限をどうするか、出演者に特殊なキャストを入れるか、人数をどうするか、などが予算に左右されることを認識しておくといいでしょう。
合コンシーンをしたいけど、女性3人、男性3人の合計6人も出せない、でも合コン後っぽく見せてカップルだけが出演する企画なら大丈夫かなとか。
小学校の教室のシーンだと子役が20人は必要、だから放課後の教室にして四人にしないとなど、工夫が必要かもしれませんね。
 

相談2

【スタッフ人件費】


クリエイティブディレクターや、アートディレクター、案を出すプランナーから始まりコピーライターや、プロデューサー、演出ディレクター、制作部、美術部、絵コンテマン、スタイリスト、ヘアメイク、撮影、録音、照明、CG、エディター、音楽家…などなど、他にもそのアシスタントや専門家など細分化するとかなりの人数が関わる、というお話は前回しました。 
その道で売れっ子な人を使うと勿論人件費も上がります。 

ここはストレートに言うと、人件費を減らすと=その部分が実質実現できなくなる、あるいは力を入れることができなくなる、と考えるのが妥当です。 
むしろ逆に言ってしまうと、予算にあわせて企画・制作側が自然に人数を割り振るのが通常でしょうか。なので意識的にクライアント側は考えなくても良いかもしれません。 
(予算がなくても、制作側がやりたい仕事の場合は、勝手にスタッフがついてくるパターンも…なきにしもあらず笑) 

ですが、映像の内容によっては、この職種のスタッフだけは外すとやばいかも、というパターンがあります。 

例えば化粧品や美容系。やはり化粧品などはきれいなイメージ動画を撮りたいと思います。 
それなのに、例えばヘアメイクさんがいなければ、そもそもモデルさんをメイクできないし、肌が綺麗に見せられない。 
それに、照明スタッフがいれば、光を使って美しいトーンを作るので、必要かもしれません。CGで後から修正したり、加工するCGも外せないかもしれません。 
逆に白背景で、男性がネクタイの結び方を見せ、テロップを入れるだけの動画に大人数の照明スタッフや機材もいりませんし、CGも、録音もいらないかもしれません。 

求めている映像に必要なスタッフを削るとそれ相応になりますし、逆に過剰なスタッフに予算をかける必要がないとも言えます。 
そのあたりの観点は、制作サイドときちんと認識をとっておく必要があります。 

【美術】


セットなどの予算はどうでしょうか。そもそも美術やセット、家具などの装飾、小物などは、動画の世界観を生み出し、効率的な撮影ができるか、にも繋がります。 
もし企業のカラーで家の中を埋めたいならセットを作る必要がありますが、平凡な和室でいい、ということなら、どこか既存のスタジオで大丈夫かもしれません。 
小物などは、制作スタッフで用意できそうなレベルであれば削れるかもしれません。 

※余談ですが、撮影場所は基本的に狭ければ狭いほど、カメラワークに支障をきたします。仮に学生の住む6畳の部屋が撮影シーンだった場合、実際に6畳の部屋で撮影してしまうとかなり困難を極めます。 
カメラが引けず部屋全体を写せない、ライトを置く場所がなくきれいにライティングできない、そもそもスタッフの逃げ場すらない、ヘアメイクさんがメイクするスペースもないなど…。なので撮影場所は広めの場所で行うことが多いのです。 

【衣装やヘアメイク】


・さて、衣裳やヘアメイクも作品全体の世界観や、ときには衣装・ヘアメイクそのものがメインとなる企画まで様々です。 
たとえばここが、普段着であればいい、悪目立ちしない程度でいい、など落とし所によっては予算を削れます。そのかわり事前にメイクや衣装合わせをしたり、いくつも衣装を用意して現場で見たいなどの要望が難しいことは理解しておきましょう。 

アップ

【機材】


どのレベルの映像が撮りたいか、例えばこんなCMみたいな、などイメージを伝えておくのがベストでしょう。プロの方なら、その映像を見ればどの程度の予算の機材が必要化判断できます。(もちろんみんな良い映像を撮りたいわけではありますが) 
少し専門的な話ですが、カメラやレンズのグレードを下げると精細さや色表現に限界が出ます。 
美しい風景が見せたい、スーパースローでお肉が焼けるところを見せたい、女性の美しい肌を見せたい、誰も見たことのないカメラワークを実現したい、空撮したい、など映像のクオリティそのものが商品やサービスと密接な場合は非常に機材が重要です。 
逆にスマホやSNSの小さい画面でしか流さないのに、そこにウン百万も機材に掛ける必要がないかもしれません。 
カメラ、照明、音声などの良し悪しは正直に言うと「メジャー感」なるものに繋がります。要はクオリティが高く見え、予算がかかっているような見え方がする、ということです。ようなというのは、それを実現するのは技術者やマンパワーでもあるので、一概にいえないためです。 
ぶっちゃけこれは、一般企業の広告担当の方などで、映像を勉強していない場合ではなかなか理解はできません。正直私でも使っている機材や、勉強している範疇でしかお答えできない…です。 

【工数・納期】


予算を気になさるなら、工数を減らす方法、少し乱暴な言い方になりますが、修正の回数を減らすことです。 
修正回数の確認もしてみましょう。もしかすると、あとから修正回数で経費が膨らみ想定外になることも… 
すなわち、修正部分をなるべくまとめて、確実性のあるものにしてから、制作サイドに相談するように意識することが最もシンプルな解決策ではないでしょうか。 
事情により、担当者単位、部署単位、上長単位で修正が発生することがあるケースもあると思いますが、社内でいかに事前に巻き込んでおけるかが大切です。 
もちろん、制作サイドとは密にコミュニケーションを取っておくこと、信頼できる相手と仕事をする、にも大きくかかっています。 
それと、短納期での依頼は予算が逆に膨らむこともあります。急案件すぎるとスタッフ確保や、ロケ地との交渉で高めの予算を割かざるを得なくなることもあるんです。 

【MA・仕上げ】


このあたりも近年では機材の発達とともに、編集スタジオを借りなくても、ある程度インハウスで編集が完結できる時代となりました。TVCMですと細かい放送用の規制があるのでスタジオで音や映像調整は必要ですが、ウェブや、小さなサイネージだけの場合にはインハウスでの調整で完パケまで行ってしまえば、スタジオ費や人件費が抑えられます。 

【音楽・サウンドロゴ費】


音楽をそれ用に作らず、既成のものとすると予算が削減できる傾向にあります。 
それと著作権があるものを使わない(実はクラシックの曲でも演奏家に権利がある場合がほとんどだったりします)。サウンドロゴはつけないなど。 

 
いろいろと書きましたが、これを読んで、多分明確にビジョンが見えるわけではないですよね、すみません笑
 
一番簡単な誰でもできることでいいますと、最初に予算の目安を相談しましょう、でしょうか。
いくらまでなら使えるか明確なら、ちゃんと相談する、それが一番です。
更に制作物を見せてもらい、実際の予算や価格帯を聞いてみましょう。何ならそれがいちばん大切かもしれません。正直なところ、制作会社によっては安かろう悪かろうの会社もありますし、気をつけたところです。
 

以上、全2回で低予算で動画広告・webCM制作するとき、わかっておきたいポイントをお届けしました。


PAGE TOP