プレスリリースを15秒で届けるPR動画の作り方 — 原稿から構成を起こす5ステップと失敗回避策
プレスリリースをPR動画に変換するとはどういうことか
新商品や新機能の発表にあわせて渾身のプレスリリースを配信したものの、メディアの掲載獲得はおろか、自社のSNSやWebサイトでもほとんど読まれずに流れていってしまう——そんな悩みを抱える広報・マーケティング担当者は後を絶ちません。
プレスリリース配信サービスの利用社数が増加し続ける一方で、受け手であるメディア関係者や生活者が1つのテキストに割ける時間は年々減少しています。株式会社TaTapが実施した「ショート動画と購買行動調査」によると、視聴者の55.6%がショート動画をきっかけに商品を購入しており、欲しいと感じる決め手の第1位には「実際に使っている様子が映っていること(45.3%)」が挙げられています。
テキストと静止画だけでは伝わりきらない「製品の実際の挙動」や「体験の価値」を、短時間で直感的に届ける手段としてPR動画の重要性は急速に高まっています。
この記事では、すでに社内にあるプレスリリース原稿(A4用紙1〜2枚程度)をベースに、誰でも再現性高く15秒から30秒の短尺PR動画へと落とし込む「PR動画 作り方」の手順を解説します。高額な撮影機材や専門ソフトを使わずとも、伝えたいメッセージを的確に映像化する実装プロセスをお伝えします。
準備するものと事前に決めるべき3つの前提
PR動画の制作を始める前に、机の上に用意すべき素材と事前に合意しておくべき前提条件があります。ここが曖昧なまま動画を作り始めると、修正の無限ループに陥る原因になります。
準備する素材・データ
- 最新のプレスリリース原稿(または製品企画書・サービス紹介資料)
- 製品やサービスのロゴデータ(背景透過PNGまたはベクターデータ)
- 製品の画面キャプチャ、製品写真、または利用シーンの高解像度画像
- 誘導先ページのURL(LP、製品ページ、特設サイトなど)
事前に決めるべき3つの前提
-
誰に届けるか(ターゲットの解像度) 既存の顧客なのか、課題に気づいていない潜在層なのか、あるいは業界メディアの記者なのかによって、使う言葉と映像のトーンが完全に変わります。
-
視聴後に何をしてほしいか(CTAの単一化) 「資料請求をしてほしい」「製品名を検索してほしい」「特設サイトを見てほしい」など、1本の動画で求めるアクションは1つに絞ります。
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配信するプラットフォームと画面アスペクト比 スマートフォン閲覧(Instagram Reels、TikTok、YouTubeショート、X)を主軸にするなら縦型(9:16)、自社Webサイト埋め込みや展示会モニターがメインなら横型(16:9)を選択します。
プレスリリースからPR動画を作る5つの手順
ここからは、文字だらけのプレスリリース原稿をPR動画の構成に落とし込み、映像として完成させる実践的な5つのステップを紹介します。
ステップ1:言いたいことを「1つのコアメッセージ」に削ぎ落とす
- 所要時間の目安: 30分
- つまずきやすい点: 「機能Aも機能Bも便利だから全部入れたい」と欲張ってしまい、15秒で何も印象に残らない動画になること
広報担当者がPR動画の作り方で最初につまずくのが、情報量の引き算です。プレスリリースには「背景」「開発経緯」「機能一覧」「スペック」「代表コメント」など網羅的な情報が載っていますが、15〜30秒のPR動画に詰め込めるメッセージは「たった1つ」だけです。
原稿の中から「この製品が存在することで、誰のどんな課題がどう解決するのか」という一行を抜き出してください。それ以外の補足情報はすべて動画の誘導先(Webサイトやプレスリリース本文)に任せる割り切りが必要です。
ステップ2:3幕構成(フック・課題と解決・行動喚起)に落とし込む
- 所要時間の目安: 45分
- つまずきやすい点: 冒頭で「会社名」や「ロゴアニメーション」を長々と流してしまい、最初の2秒で離脱されること
動画全体のタイムラインを次の3つに分解します。
- 冒頭0〜3秒(フック):ターゲットが思わず手を止める課題の提起、または驚きのビジュアル
- 4〜11秒(課題と解決):自社製品・サービスがそれをどう解決するかの提示(利用シーン)
- 12〜15秒(行動喚起):次に取るべき具体的なアクション(「〇〇で検索」「詳細はプロフリンクへ」)
なお、動画全体の骨組みをより精密に設計するコンテ作成の基準については、親記事である成果が出る動画コンテの作り方 — AI動画の質を分ける構成設計と品質チェック基準で詳しく解説しています。本記事では、その前段階となる「プレスリリース原稿から動画への落とし込み」に特化して解説を進めます。
ステップ3:テキストを用語から「視覚的なシーン」へ変換する
- 所要時間の目安: 60分
- つまずきやすい点: プレスリリースの専門用語(「業務効率化を推進」「シナジーを創出」など)をそのままテロップにしてしまい、絵が変わらない紙芝居動画になること
PR動画の本質は「言葉を絵で見せること」です。 例えば「業務時間を50%削減」という文字があった場合、それをそのまま画面に出すのではなく、「時計の針が猛スピードで回り、定時退社して笑顔になる社員の姿」や「散らかった書類が一瞬で整理される画面操作」といった視覚的なシーンに翻訳します。
ステップ4:実写素材とAI動画生成の役割分担を決める
- 所要時間の目安: 60分〜120分
- つまずきやすい点: すべてを実写ロケで撮ろうとして予算オーバーになる、またはすべてをAI生成に頼ろうとして製品の見た目が実物と乖離すること
現代のPR動画制作において、コストと品質を両立させる鍵は「実写」と「AI動画生成」のハイブリッド運用です。
- 実写を使うべき部分: 実際の製品画面、ロゴ、実物プロダクトのディテール(信頼性が必要な箇所)
- AIを活用すべき部分: 利用シチュエーションの背景、イメージカット、人物のリアクションシーン(撮影コストが高くつく箇所)
オフィスの会議室で撮影した人物動画の背景を、AIを活用して洗練されたショールームや開放的なオフィス空間へ差し替えるような技術を使えば、大規模なスタジオ撮影を行わなくても上質なPR動画を構築できます。
ステップ5:15秒〜30秒の尺に収めて音とテロップを乗せる
- 所要時間の目安: 60分
- つまずきやすい点: 音声ありきで制作してしまい、ミュート再生ユーザーに何も伝わらないこと
ショート動画視聴者の約3割は音声をオフにして動画を閲覧しています。そのため、無音状態でもストーリーが理解できるように、要点のテロップ(文字起こしではなく、キーワードを短く強調したもの)を画面中央から下部に配置します。BGMは動画のテンポ感を担保するために背後で軽快に流れるものを選びます。
従来の外注制作とAIハイブリッド制作の比較
PR動画を制作する際、従来型の制作会社へフルオーダー外注する場合と、社内リソースおよび最新のAI生成手法を組み合わせた場合では、スピードやコスト構造が大きく異なります。
| 比較項目 | 従来型の動画制作外注 | AI×実写ハイブリッド制作 | セルフAI生成ツール活用 |
|---|---|---|---|
| 1本あたりの制作費 | 50万円〜300万円 | 30万円〜70万円 | 月額9,800円〜 |
| 制作期間 | 1ヶ月〜2ヶ月 | 1週間〜2週間 | 即日〜数時間 |
| 複数パターンの制作 | 追加費用が大幅に発生 | 冒頭フック違いを複数制作可能 | 何パターンでも手軽に試作可能 |
| 背景・ロケーション | スタジオレンタル・ロケ費必須 | AI合成でロケなし実現 | AIプロンプトで背景生成 |
| 向いている用途 | TVCM・大規模ブランディング | 広告運用・SNS配信・展示会 | リリースごとの頻繁な告知 |
「企業のPR施策として動画を作りたいが、1本に100万円以上かける予算はない」「リリースの都度、素早く動画を出したい」という現場では、実写とAIを柔軟に組み合わせる選択肢が定着しつつあります。
失敗を防ぐためのPR動画品質チェックリスト
動画の編集が完了したら、公開・配信する前に必ず以下のチェックリストを通して客観的に品質を判定してください。
- 冒頭1〜2秒で「何の動画か」「自分に関係があるか」が直感的に伝わるか
- 1つの動画内で訴求しているメッセージが1点のみに絞られているか
- 音声を完全にミュートにした状態でも、テロップと映像だけで内容が把握できるか
- プレスリリース特有の難しい社内用語や抽象的なビジネス表現が残っていないか
- 最後の1〜2秒で、視聴者が次に起こすべきアクション(検索・クリック)が明確に指示されているか
- スマートフォンの実機画面でプレビューした際、各SNSのUI(いいねボタンやアカウント名)で重要テロップが隠れていないか
上記のチェックリストのうち1つでも満たせていない項目があれば、テロップの配置や尺のトリミングなどの微修正を行ってから公開に進みます。
まとめ:置きっぱなしのリリースから「自走するPR動画」へ
これまで、広報担当者が行う情報発信の主役はテキストのプレスリリースでした。しかし、情報があふれる現代においては、文字情報を読んでもらうための「入り口」として動画を機能させることが不可欠です。
1本の完璧な動画を高額なコストで作って終わるのではなく、プレスリリースの要点を短尺動画として素早く具現化し、SNSやWeb広告で反応を見ながら複数の切り口を試していく運用こそが、PRの成果を最大化します。
「プレスリリースの原稿はあるが、動画を作るリソースやノウハウが社内にない」という場合は、リリースのURLやテキスト情報を渡すだけで15秒CMを自動生成できるツールの活用から始めてみるのがおすすめです。
広報活動をテキストだけで終わらせず、届く映像へとアップデートしていきましょう。
プレスリリースから手軽に15秒動画を生成したい方は、CM生成(AI:PR)をぜひお試しください。リリースのURLやPDFから最短数分でPR動画のベースを作成できます。
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