理系大学を辞めて映像を学んだディレクター | ムービーインパクト ディレクターインタビュー
2019.04.14
ライター:梶川美輪子
国立大学の理系学科を辞め、映像の道に転向されたと聞きました。
滝本:映画が大好きで、中学生の頃から漠然と、映像を作りたいと思っていましたが、なかなか踏み出せずに大学に入っちゃったんです。でも、時間ができて考えるうちに、このままいくと卒業して理系の仕事につくことになるな、と。そんな自分がイメージできなかったので、大学を辞め、美大の映像学科で学び直すことにしました。
思い切りましたね。美大卒業後にムービーインパクトに入社されたんですか?
滝本:最初に就職したのは別の制作会社で、TVのバラエティー番組のADやドラマの助監督をしていました。仕事としては、完全にアシスタント業務です。しばらく続けたのですが「自分で作りたい」という思いが募り、退職しました。
それから、派遣社員で働きつつ、舞台の演出をしたり、脚本書いたり。模索していたときに、ムービーインパクトでディレクターをしていた映像学科の同期、市原が声をかけてくれました。(市原ディレクターのインタビューはこちら)
再び、大きなターニングポイントですね。
滝本:商品、サービスありきのCMは、ドラマやバラエティーとは全然違うので、正直、戸惑いがありました。ムービーインパクトの事務所に話を聞きに来た時も、最初は入社するつもりはなかったんですけどね(笑)。でも、ウェブCM…特にムービーインパクトの作るウェブCMを観てみると、まず「楽しんでもらう」というのが前面に出ていて、その先に伝えたいこともちゃんと表現していると思いました。
そして、自身のキャリアとしても、ムービーインパクトなら、ディレクターとして作る側に行ける、というビジョンが見えました。
それで、改めて入社試験を受け、今では担当プロジェクトを持たせていただけるようになりました。脚本、撮影、編集と制作全般をディレクションしています。
1人ですべてを担うのは大変ではないですか?
滝本:シナリオを書くことは大好きなので、苦にはなりません。脚本は、打ち合わせでお客様のお話をしっかりくみ取った上で、ドラマ要素のあるもの、インパクトを狙ったものなど、バリエーション違いで3本程度提案させていただきます。良いものが書けたときはテンションが上がります。
撮影、編集といった制作工程は、テレビと近しいところが多いので、これまでの経験が存分に生きています。
滝本さんのデスクトップ横に、謎のメモがいつも貼られているそうですが、これもテレビ業界でのやり方を踏襲しているのでしょうか?
滝本:いや、これはテレビとは関係ないです(笑)。大学の受験勉強の名残で、ダラダラ時間を使わないように、仕事の進め方を自分なりにメモして貼っています。
几帳面ですね。真摯な仕事対応と、CMの弾けっぷり。そのギャップにお客様も驚かれるのでは。
滝本:そうですね。出来上がった映像を観て「思ったより全然面白い」と言って貰うことがあり、嬉しいです。
HPの制作実績動画を観て下さったお客様と打ち合わせしていると、やはり、ムービーインパクトらしい、ドラマ仕立ての感動を誘うものだったり、インパクトや面白さを期待されることが多いので、それに応えていきたいと思っています。
今後、どんなコンテンツを作っていきたいですか?
滝本:動画にすることでサービスが伝わりやすくなったり、ブランドイメージや売り上げがアップするなど、コンバージョン達成に寄与できるようなウェブCMです。
最終目標としては…エモーショナルな青春映画を撮りたいです。
映画!しかも青春モノですか。滝本さん自身、大学中退して夢を追ったりと、実は熱血系なんですね。
滝本:ムービーインパクトはウェブCMに強いというイメージがありますが、テレビCMや劇場公開映画も作っていて、社内にノウハウがあるんですよ。
映画「大舞台は頂いた!」(大田区文化振興協会様、2017年公開)では、助監督をやらせていただきました。いつか青春映画のシナリオを書いて、自分で監督ができるよう、頑張りたいです。
滝本重之(たきもとしげゆき)/ディレクター
1983年生まれ、千葉県出身。理系国立大学に入学したものの、映画が好きすぎて美術大学の映像学科に入り直す。映画やドラマの助監督、舞台の演出、脚本などを経験し、2016年ムービーインパクト入社。温和な対応で丁寧に仕事をこなす紳士なディレクター。